経済産業大臣指定 伝統的工芸品
(おおぼりそうまやき)
由 来
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大堀相馬焼は、福島県双葉郡浪江町一円で生産される焼き物です。旧藩政時代には、相馬藩内で生産される陶器すべてを相馬焼と呼んでいましたが、今は産地名「大堀」の名を入れて「大堀相馬焼」と呼んでいます。創業は今から約300年前、藩士「半谷休閑」の下僕「左馬」という人によって創始され、次第に近隣へと伝えられていきました。相馬藩は、これを藩の特産物にしようと、産地に瀬戸役所を設置して、資金の援助や原材料の確保など保護育成に努めたので、窯元も農家の副業として近隣8ヶ村に普及し、江戸末期には100数戸の産地となり、販路も北海道から関東一円、更には上州方面へと広がり、一大窯業地帯と発展しました。明治期に入ると、藩の援助も無くなり、交通の発達と共に他産地との競合も大きくなり、大正期に入ると窯元も30戸と激減してしまいました。昭和時代となり、戦争による大きな打撃を受けましたが、戦後強力に立ち上がり、昭和53年には国の伝統的工芸品としての指定を受け、今24軒の窯元が300年の伝統を守りながら21世紀に向けての新製品の改良に努力しています。 |
特 徴
大堀相馬焼は、他の産地に類をみない独特の特徴があります。
1.「青裂(あおひび)」
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大堀相馬焼で、一般的に使われている釉薬を「あおひび」と呼んでいます。この釉薬は、焼成後の冷却によって貫入(ひび割れ)が入るため、このような呼び名が付いています。
また、これは焼き物で言う「青磁釉」の一種で、鉄分を含んだ釉薬を還元炎焼成することによって得られるもので、薄緑色の透明な色をしています。製品のひびが黒色をしているのは、冷却後にひびに「墨」を塗り込むためです。 |
2.「走り駒」
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熟練された筆使いで、疾走する馬の絵が手描きされています。 |
3.「二重(ふたえ)焼」
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これは、他の産地には見られない大変珍しい特徴で、製品の構造が二重になっているということです。特に湯呑みなどは、入れたお湯が冷めにくく、熱いお湯を入れても熱さを感じません。
二重焼ってどうやって作るの?(製造工程説明)
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